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大学院生の頃、研究フィールドとして通っていた山村地域のリーダー的な人から地域のお祭りに合わせて何か面白いイベントを企画して欲しいと言われました。準備期間はたったの2週間でしたが、地域に旨く馴染むチャンスと思って引き受けました。
問題は予算が少ないことです。地域からはゼロ円、指導教員から3万円です。何をしようか悩みましたが、私の研究テーマに農村の活性化があり、オシャレな農業に関心があったので農業ファッションショーに決めました。
そうと決まればまずは大急ぎで出演者の募集です。待っていても集まらないので、これは研究室のメンバーや友人にお願いしました。服装は自分がオシャレと思う農業スタイルなら自由とし、各人に用意してもらうことにすると多くの人が面白がって参加してくれました。
次は司会者の依頼です。これは笑いと話のセンスに定評がある、研究室の先輩かつサークルの部長にお願いしました。最初は渋っていた先輩も、モデルに仲の良い人が何人かいたのでオッケーしてくれました。
ファッションショー中の音楽は編曲が得意な後輩に頼みました。
更に不便な立地なので足の確保も必要でした。現場までは研究室の先輩が出してくれることになりました。この頃にはイベントについて研究室で話題になっており、15人以上が遊びに来てくれることになっていたのです。
SNSやビラ貼りで告知をしてこれで準備は完了です。ドキドキしながら当日を迎えました。
嬉しいことに50人近いお客さんが入っていて、会場は混み合っていました。司会は大まかな流れを伝えただけで内容は全て任していましたが大成功。掴みの話まで入れて会場を沸かしてくれました。
モデルさんは自由と言ったので皆個性的。がっつりオシャレ農作業着の人もいれば、頭にワラのねじりハチマキをしている人まで。サプライズで指導教員も登場してくれました。でも甚平に下駄って、農業も現場監督ですか?と笑いを誘いました。
ファッションショーは大成功で幕を閉じました。地域からは感謝の言葉と関係者へ豚汁の振るまいを頂き更に良好な関係を築けました。