長藤の観光イベント警備

毎年恒例の、東京のイベント会社が主催する季節になると開花する藤の花を見るイベントに、常駐警備でアルバイトをしていたときのことです。藤の花でも咲くと、長く垂れ下がる種類の長藤という植物を見たいと、毎年多くのお年寄りが車で押し掛けるのですが、そこは観光地で知る人ぞ知る有名な所です。ただ、駐車場が会場から離れていて、道路を歩いて渡らないとたどり着けないため、横断ポイントに配置されました。

 

アルバイト勤務で、その場所での初日の勤務でした。道路沿いに、支給された警備用の制服を着て立っていると、続々と二人連れでお年寄りがやって来ました。道路の幅は4m以内で車が一台通れるほどの、それほど広くない道でしたが、交通環境上抜け道になっているらしく、堤のような盛り土の上にあるその道を、かなり高速に車が通過します。

 

横断ポイントが決まっているため、ここからしか会場には渡れません。車は全く停まってくれず、お年寄りは会場に早く着きたい一心でなんとか渡ろうとします。警備など目に入らない様子でした。1日で疲れはて、その後辞めてしまいましたが、今でも記憶に残るハードなお仕事でした。